閑話休題

玩具とか撮った写真とかゲームとか

新型コロナウイルスにドラフト指名されちゃった話

医者行って、診断されて、自宅療養!…なんて甘い世界じゃ無いから!



ついに私にもこの不名誉な指名が入ってしまった。

都内の感染者数が爆発しているので「最早かからない方が凄いことだよね」なんて言っていたが、実際にかかると結構凹む。

しかしかかってみてよく分かった。マジで別の意味で大変だからかからない方がいいぞ!!



1日目
~忍び寄る影~


朝起きると喉に微かに違和感が。
エアコンで喉やっちゃったかなー。毎年季節の変り目やりがちなんだよな…。
体温を計ったけれど問題なし。うがいをしたら大分楽になったので安心…したのが間違いだった!

一日過ごして夜。喉がヒリヒリする。




2日目
~侵食された大地~


この日はとにかく寝た。
熱がじわじわ上がっていく。朝の検温では微熱だったのが、夕方ピーク時は38.6度まで上がった。
あー、これは多分…。

しかし体温がとにかく安定しない。上がったり、下がったり。
38.6度を叩き出した後、一眠りしたら平熱の36.8度まで下がったのだ。分からん。ただの咽頭炎か?なんか発熱が2日続いたらコロナ…って聞いたような…。

もう今日は何も考えずに寝よう。きっと明日には全快だ。





3日目
~停滞~


まぁ、この3日目に入るまでに夜中1時間ごとに起きていたから全く休んだ気がしない。
喉は相変わらず痛いが…熱は37.0。どうだろう、身体は問題なく動くしギリいけるか?
シャワーを浴び始めて察し。風邪特有の浮遊感と感覚の鈍さがある。多分さっきより熱上がってる。
部屋に戻って体温を計ると37.8度。うん、やっぱ駄目だね。


Prrrr…
私「もしもし、私です」
事務員「おう、どうした」
私「昨日から熱が引かない」
事務員「ねぇ!勘弁してくれよ!」
私「熱下がり次第行くからな」
事務員「駄目に決まってんだろ!医者…今行けないらしいから頑張れよ」
私「マ?」
事務員「マ」
私「とにかく陰性って証明貰い次第行くからな」
事務員「陽性だよ」
私「だよねぇ…」

ほぼ原文まま。しかし、病院行けないってまさかね。

コロナの情勢に入ってから医者に行ったことが無い私にとって、情報をアップデートしてなかったのが仇となった。調べてみると、今「発熱外来」は完全予約制。しかも限られた病院である。

近隣病院を探して予約開始時間に電話をする。繋がらない。なるほどね。とにかく繋がらない。近隣3件をローテーションして10分かけ続けても繋がらない。


なるほどね。


因みに中国語で「なるほど」は「原来如此」っていいます。私は口癖が「なるほどね」なので、中国人の子から何か教えて貰ったりリアクションを取るときは重宝しています。





閑話休題






12分後、続々と電話が繋がり始める。


Prrrr…
私「あの、発熱外来の予約を…」
A「本日分終わっちゃったんですよー」
B「また明日お願い致します」
C「お大事になさってください」
D「スタッフで陽性者が出て診察ができないんですよ…」


………



なんとなく分かってた。


ママが言ってたよ。いりょうほーかいってやつだ。



なるほどなぁ。


Prrrr…
事務員「おう、どうした」
私「病院行けん」
事務員「ほれ見たことか」
私「熱下がったら行くわ」
事務員「駄目に決まってんだろ。抗原キット買うか無料検査場探せ」
私「おかのした」

ほぼ原文まま。


無料検査場は…駄目だな。発熱ある人は受け付けてなかったり、胡散臭いのばかりヒットする。


抗原キットは…調剤薬局であるな…。


ここで私は一つの問題に直面する。十中八九陽性の私が行っていいものか。


ミウチーイーツ使うか…。


Prrrr…
私「私です。かくかくしかじかで、抗原キットとスポドリと適当なレトルト食品をうちのドアまでかけてくれますか?」
身内「よかろうもん」


この段階で37.5度。ちょうど中間だな…。
解熱剤も貰い、いざ抗原検査。鼻の中をグリグリして薬剤に入れ、機材に垂らす。判定まで15分から30分か~…あ?


秒で結果出たんだが…

しかし抗原キットでは偽陽性もありえるらしい。まぁさすがに希望的観測すぎるか…。
15分経っても消えやしねぇ。確定だよ。


Prrrr…
私「電話にはすぐ出るように」
事務員「お前の部署の手伝いで忙しいんだが何か」
私「いやぁ、いつもお世話になっております。本題ですが抗原キットで陽性でございました」
事務員「やっぱりな。でもこっちも確認したけど抗原キットで陰性なら問題なかったが陽性ならやっぱ医者行かないと駄目だ」
私「どうすっかなぁ」
事務員「発熱相談センターに電話と、陽性者登録センターってのがあるらしいからググってくれ」
私「かしこ!」

これは脚色。


結論から言ってどっちもあまり意味が無かった。

発熱相談センターは近隣の発熱外来をしている医者を調べてくれるが、私のように自分で探せるなら時間を取らせてしまうだけである。

陽性者登録センターは、医療用抗原キットなら登録可能だが1日上限1,000件まで。開始時間非公開の随時なのでずっとページが落ちていた。


午後受付の病院にも電話をかけてみたが朝とさほど変わらず。
聞き方を変えて「因みに明日の予約とかも取れないですよね」って聞いてみても、1週間埋まってたり当日しか受けてなかったり成果なし。


今日はもう諦めよう。


何なら精神的な焦りからか、解熱剤がきれるとまた38.9度とかいく。普通の風邪と違うなって思う部分が、体温の変動が激しい。低いときは36.0度から、高いときは38.9度。気分がおかしくなるのと同時にメンタルが崩れていく。

かぁーっぺ。何だこの食い終わったガムみたいな粘度の痰は。ちょっとテンション上がる。




4日目
~奇跡~


体調が悪くても進捗が無くても誰も病院の予約は取っちゃくれない。だって誰も私の代わりにはなれないもの。
身内に凄腕のハッカーとかいたら、時間ジャストに病院に電話して予約取ってくれたりするのかしら。何を言ってるのか分からなくなってきた。

今日予約を取れなかったら陽性者登録センターに張り付くしかない。朝から気分が滅入る。

時間が来たので電話をかける。Aは昨日と同じで駄目。

しかしここで76回かけたB病院で奇跡が起きる。

B「はい、B病院です」
私「あっ、あのぉ…発熱外来の予約をしたいのですが…」
B「発熱外来ですね。うーん、あ、10時の枠がちょうどキャンセルになって枠が空いたので、そこで宜しければ可能でございます」
私「お、お願いします!10時ですね!宜しくお願いします!」

こんな奇跡があるだろうか!

炎天下の中ふらつきながら病院に行くも体温は37.2度。絶対38度いってると思っていた。

診察とpcr検査をしてもらい、昼に帰宅。
職場に電話をして部署の問題を片付けて、うとうとしていると夕方頃にB病院から電話があり陽性確定。保健所からのショートメッセージの指示に従って情報入力。一応これで療養期間と出勤日を会社に提出できる訳だ。




あ、飯。

配給サービスも、サイトに陽性確定情報が入ったら申請できるのね。家に数日分ご飯があるから間に合うかなぁ。





とにかくこれで後は休める訳だ。
体調のつらさよりも、メンタルが削られる2日間だった。
しかし私なんかより病院は毎日電話対応で削られ、ほぼ陽性で確定の患者を相手にして、先が見えない中本当に大変だと思う。

しかし許せなかったのは、同じ発熱外来の診察を受けていた人の中に、診察費が高すぎると怒鳴り散らす人や、病院の敷地の道路に痰を吐く人がいたということ。発熱外来を受けたくても予約が取れない人がいる貴重な枠の中に、なぜこんな人たちがいるのだろうか…。

社会というのは不公平である。



今回の教訓として

①非常食は備蓄しておけ。災害時も役立つし、こういう時も役に立つ。
②現実逃避するな。今までと同じ初期症状でも体調が悪かったらコロナを疑え。
③病院に迷惑かけるな。受診出来ることに感謝しろ。


以上です。


私は来週半ばまでお休みになりました。10連休なんて初めてなので仕事が不安ですが、部署の子が頑張ってくれてるので電話でサポートしつつゆっくり休みたいと思います。

本当に病院の予約が取れません。僕が今回行けたのも、たまたま76回目でコールが繋がり、たまたまキャンセル枠があったから受診できた。下手したら受診できないまま週を跨いでいた…なんて事もあったかもしれない。当事者になるまで知らなかったなんて、無知は怖いですね。

陽性だった私が言うのも何ですが、「この症状は大丈夫」とは思わない方がいいです。虎視眈々と狙われている事を意識して、「少し◯◯」って症状が出たら一気につけこまれると思ってください。

子ども時代に親に散々「勉強しなさい」って言われて実感がわかなかったのと同じで、これだけ書いても恐らく皆さんは危機感を持たないでしょう。まぁそれは仕方無い事なんです。

当然対策をしててもかかる時はかかりますからね。だから自分の不調、同居人の不調には常に敏感になっておいてください。





それじゃ、一段落したので寝ます。因みに事務員は女の子ですよ。