出会いは一目惚れでした。
親父「もつ煮買ってきたから取りに来て」
某月某日、よくある突然のLINE。
もつ煮?
珍しい。
スーパーで安売りでもしてたのかと思い実家に行ってみる。そこにあったもつ煮は業務用かと勘違いするくらいでけぇもつ煮のパウチ。話を聞いてみると、テレビで紹介されていて気になったから食べに行ったついでにテイクアウトもしてきたんだとか。
へー
まぁよくある事だった。定年退職した親父の趣味の一つである。ただで貰えるんだし普段自分じゃ買わない物を貰えてラッキー。
早速おうちでレンチンして食べてみる。もつ煮大好きなんで超嬉しい!!
え…
なにこれ…
美味いなんてもんじゃ無い。口に入れた瞬間広がるゴマの香り、味噌のコクは底が見えず、ぴりりと辛いスパイスが全体の味をキュっとしめている。ひき肉も入っておりまるで担々麺の肉味噌のようなイメージに近い。もつは非常に柔らかく煮込まれていて滑らかな舌触りに程よい弾力。こんにゃくは「今食べたのはこんにゃく?」と思うほどこんにゃく臭さが無い。
あ、これが
一目惚れかぁ…。
それからの私の行動は早い。
いつまでを残暑と言って良いのか分からないがまだまだ昼間は暑い。しかし汗だくの暑さでは無く心地良い暑さで私的には結構お気に入りの季節かもしれない。
やってきたのは府中。どうやら先日親父から貰ったもつ煮「たま屋食堂」は府中にあるらしい。
東京競馬場裏が本店、駅の反対側徒歩10分圏内に美好町店という分店がある。最初は東京競馬場裏の本店に行こうと思っていたが、万が一テイクアウトが売り切れていた場合ショックが大きいので、駅から近い分店を先に攻める事にした。
まぁそもそも家から結構遠いのよ…。朝6時に起きて昼御飯食べに来てるからね…。
大通りを道なりに真っ直ぐ進み、目印のポストで住宅街の路地に入る。入った瞬間「本当に合ってるか?」と不安になったがGoogleマップ先生を信じて突き進む。
おぉ…あった。パウチと同じマーク。
まだ開店前だったので私は隣の自販機で何か飲み物を買おうとラインナップを見る。と…
あった。
テイクアウトって言うか自販機!!後述するがこれは非常にありがたい。
私はもつ煮2、トマト1を買い持参した保冷バッグにそそくさとしまう。丁度その時開店時間になった。
さぁ、これから私は震度7の地震が起きようが食事を止める事はない!!
もつ煮定食(650円)
もつカレー小鉢(100円)
安すぎないか?
店内はカウンターのみ。歴戦のお姉さま方が阿吽の呼吸で定食を作っていく。正直、店の雰囲気だけで来て良かったと思えるくらい落ち着く。
もつ煮には湯豆腐、うずらの卵、ネギと彩りが綺麗。テイクアウトのもつ煮同様、ゴマの香りと味噌のコクがすんごい。
もつ煮をすくってご飯にかけ食べる。もつ煮をすくってご飯にかけ食べる。
ん、これは…
もつ煮がまだ2/3残ってるのにご飯が半分消えた。単体で美味いもつ煮が白米と一緒に食べる事によって120%のポテンシャルを引き出している。そう、たま屋食堂さんのもつ煮は"冗談抜きで米を一合単位で食べたくなる"もつ煮なのだ。絶対に最後の一口は米と一緒に頬張りたい。
そしてもつ煮に夢中でもつカレーをすっかり忘れていた。慌ててもつカレーをご飯にかけ口に放り込む。
あ…
おふくろ…?
一瞬たま屋食堂が実家に見えた。これは私が世界で一番美味いと思っている"じっくり煮込んだおうちカレー"の味。
ご飯が更に減る。これは宜しくない。
どうすれば。どうすればお米を先に食べきらずにもつ煮を食べ進められる?
む…
これだーーーーーー!!
私は湯豆腐を切りたっぷりもつ煮をかけて口に放り込む。これだ!この食べ方が正解だ。もし米が無くなってしまっても湯豆腐がある。これほど豆腐に感謝した事は無い。絶対家でも真似しよう。
合間に甘い大根サラダとほんのり落ち着くスープで適度に口をリセットできるのもとても良かった。一回の食事で3回くらいは新鮮な気持ちを味わえる。こんな気持ちでご飯を食べた事なんて無いから一生忘れられねぇよ。
今回はあまり触れなかったがもつ煮にはトマト味があったり卓上にはひき肉ラー油などもある。たま屋食堂さんは本店分店共に平日限定11:00~14:00までの営業となっているので気になる人は是非行ってみて欲しい。もし営業時間内に行けなくても外の自販機で24時間持ち帰り商品があるから保冷バッグを持って今すぐ行くんだ!!
おわり