閑話休題

玩具とか撮った写真とかゲームとか

私が◯◯◯◯パイに完全敗北した話。

ハッピーバレンタイン



始めに言っておく。


決して羨ましくなるような記事では無い!!!



2月某日


部下「ありんすさんは今年のバレンタイン何作る?」


私の職場は女性が多い。

毎年バレンタインには手作りや袋菓子を持ってきている人がいて、男女問わずにお菓子を配っている。

私も去年までは部署の子やお世話になっている人にお菓子を作って持っていってバレンタインを楽しんでいた。楽しいよねお菓子作り。


しかし…


私「今年は仲良い人結構辞めちゃったし、僕にくれる人もいなさそうだから作らなくていいかなぁ。作りたいお菓子も思い浮かばないし。貴女も当日はデートでしょ?」


一番の理由として「めんどくささ」みたいなものがあった。今年は色々あって全然作る気が起きない。


部下「私は決めたよ。最近気になってる男の子にドリアンのパイを焼く」


ド リ ア ン の パ イ を 焼 く


私「ドリアン…」

部下「うん。忘れられないバレンタインにしてあげる❤️」


忘 れ ら れ な い バ レ ン タ イ ン に し て あ げ る ❤️


私「……………………刺激的だね」

部下「でしょう?余ったら分けてあげるね」

私「ありがとう(ニコリ)」







ここで何も言わなかった私はとても考えが浅い。








これは「外国の子ってドリアン好きな子多いよな~」とか気楽に考えてた私の罪。

オチが読めていたのに止めなかった私の罰。







2月14日バレンタインデー


部下「はい、これはbossの分ね。休憩室で開けたら爆弾テロだけど今が一番美味しいよ。じゃあ私は今からデートだからまた明日」

仕事中に職場に来た部下はそう言ってこれを置いて嵐のように去っていった。


可愛い。

パッケージの隙間からガスのような匂いが漏れている事を除けば世界中の男子が羨ましがるであろう。

とりあえずはちゃめちゃに仕事が忙しかった為、私は帰るまで考えるのをやめる事にした。




割愛。時よ進め!





帰宅して覚悟を決めた私。パッケージを開けると更にガスの匂いがする。


牛乳を手元に用意して一口齧る。

「ヴヴェオ!!ヴォオ!!」


慌てて牛乳をコップに注ぐが視界が歪んで上手く入らない。

味は甘く美味しいのに匂いが強烈すぎる。


「んぐ、んぐ、は、はぁ、はぁ…」

噛むことは出来る。味も味わえる。しかし喉が閉じていて牛乳と一緒じゃないと飲み込めない。一気にコップ2杯程飲み干す。




…匂いが原因なら息を止めればいい。息を止めればただの甘いパイだ。





「おー、ふんふんいける。………ヴィータ!!」

何かが逆流してくる。慌てて牛乳を飲む。




「はぁ…はぁ…これがドリアン……」




一瞬捨てる選択肢も頭をよぎったが、こんな機会でなければドリアンを食う事は無いだろう。折角頂いたのだし楽しもうではないか!!


「ザクっ。もぐもぐごkヴェガ!!ヴァーチェ!!」

喉がドリアンを絶対に入れまいと嗚咽を漏らす。牛乳で中和しても騙されてくれない。この段階で500mlくらいの牛乳を飲んでいる。


「ヴルカヌス!!ヴァレンチノ!!ヴーヴクリコ!!!」

時間をかければかけるだけ身体が嫌がっているのが分かる。私は一気に頬張り牛乳で流し込んだ。





「はぁ…はぁ…はぁ…」






謎の達成感。






私は…ドリアンに辛うじて勝ったのだ。







勝ったのだ…。







いや…







牛乳が無かったら一口も喉を通らなかった。完 全 敗 北 で あ る ! ! !








こうして私のバレンタインデーは、ドリアンを食べきった達成感とドリアンを飲み込めなかった敗北感とが混ざりあった複雑な気持ちで幕を閉じたのであった。






ごちそうさまでした。